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カーナビ・モニターの取付け位置がエアバッグの前はヤバい!

エアバッグもカーナビやモニターも一般に普及し始めて、すでに20年くらいの月日が経過していますね。

昔のモニターは厚みがあって、重いくせに画面が小さく画質も荒く、取り付ける場所も限られていました。

それが今では技術の進歩により、薄型、軽量、大画面のモニターが比較的安価で手に入るようになりました。

しかしそれだけ技術が進歩してるのに、いまだに助手席エアバッグの前や上にモニターを取り付ける車両が後を絶ちません。

エアバッグの前にガッチリと固定されたモニターを見ると、恐怖を感じます。

エアバッグの前(展開部分)にモニターなどを設置すると?

なぜエアバッグの前にモニターを取り付けるのは良くないのか、わかる方はいらっしゃるでしょうか?

エアバッグの展開スピードは、目にも止まらぬ速さです。

なんと衝撃を感知してから、およそ0.04秒で展開は完了しています。

普通ならエアバッグが展開するシーンを見たことはないと思いますが、僕は2級整備士の資格を取る時に学校の実験で見ることができました。

まさに爆発です。

パーン!と音がしてびっくりした時にはすでにエアバッグは展開が完了した後でしぼんでいました。

もし事故にあって、エアバッグが展開されたら?

エアバッグの爆発の力で、取り付けてあるモニターが助手席の人の目の前に超高速で吹き飛んできます。

命を守るはずのエアバッグが、確実に息の根を止めにかかってきます。

エアバッグはシートベルトの補助装置

そして、エアバッグはシートベルトの補助装置であるということも、知っている方は少ないのではないでしょうか?

そもそも車が正面から衝突した場合、まずシートベルトが衝突を感知して即座に巻き込むことで身体が前に飛び出すのを防ぎます。

それでも前に飛び出そうとしてしまう身体を受け止めるためにエアバッグが開きます。

そのため、シートベルトベルトをせずに事故にあってエアバッグが展開した場合、エアバッグが存在しなかった時よりも強い衝撃を受けて死亡するケースもあり得ます。

エアバッグ装着車はもれなくサンバイザー(太陽の光が眩しい時に頭上にある板をパカッと下げて光を遮ってくれるヤツ)に警告文が書いてありますので良く読んでみましょう。

もし事故にあってエアバッグが展開したら、あの衝撃が顔面を襲ってくるのかと思うと、かなり恐怖を感じます。

それなのに、自分とエアバッグの間にモニターなんて取り付けてあったら、『いやいや、まだ死にたくないよ~!』って僕なら思います。

どうか是非、この記事を読んだ方でエアバッグの前や上にモニターが取り付けてある(モニター以外の硬いものも)あるなら、即刻撤去するか、エアバッグに干渉しない位置に取り付けし直しましょう。

事故にあってからでは遅いのです。

エアバッグが開くほどの事故では修理代はどのくらい?

ちなみに、修理目線でお伝えすると、エアバッグが展開した場合、エアバッグ交換費用でプラス30〜50万が上乗せされます(笑)

エアバッグが展開すると、関連する部品を全て新品に交換しないといけません。

  • 運転席のエアバッグモジュール(エアバッグが膨らむ本体)
  • スパイラルケーブル(本体に電気信号を送るケーブル)
  • 衝撃センサー(衝撃を感知してコンピューターに信号を送るセンサー)
  • 助手席のエアバッグモジュール(エアバッグが膨らむ本体)
  • エアバッグ用コンピューター(衝撃センサーからの信号を受け取り、エアバッグを展開させるか否かを決める)
  • 左右シートベルト(エアバッグ展開時にコンピューターからの命令により、一気に巻き込む装置が付いている)
  • 場合によってはサイドエアバッグ及びカーテンエアバッグ(エアバッグが膨らむ本体)

車種によっても部品の数が変わりますが、大まかには以上のような部品を交換します。

『なんでシートベルトも取り替えるの?』

と思う方もいらっしゃるでしょうが、エアバッグはシートベルトの補助装置です。

エアバッグ展開と同時に、シートベルトの付け根の部分にも火薬が仕込まれており、衝撃を感知した後に一気にベルトを巻き込みます。

シートベルトをしていた肩にアザができるほど強力に引き込んで前方への衝突を和らげます。

(助手席に人が座っていなかった場合、シートベルト取り付け部分の柱がゆがむほど強力に巻き込みます。)

助手席不在で巻き込まれたシートベルトは、これでもか?というくらいにキツく引っ張られて、あの柔らかなシートベルトが鉄の板のように固くなっています。

外すにはそのベルトをハサミやカッターなどで切るしかありません。

運転席側も強力に巻き込んだ後は、その状態から巻き込むことも、引き出すこともできなくなります。

そのため、エアバッグが展開した車両のシートベルトは使用不可となります。

ここまで知ると、エアバッグが展開するような事故にはあいたくないと心から思いますよね(笑)

じゃあモニターはどこに付ければいいの?

そんなこと言われたら取り付ける場所ないじゃん・・・。

そうですね、小さめのモニターやレーダー、メーターなどならともかく、大画面のモニターはなかなか取り付け場所はありませんね。

車種にもよりますが、一番良さそうな場所は、運転席右側(右ハンドルの場合)のピラー(柱)周辺でしょうか。

ダッシュボードの上となると、前方が極端に見えにくくなりますよね。

できることならモニターを後付けする場合は、なるべく小さいものがいいと思います。

最終手段として、カー用品店などのスタッフさんに相談してみても・・・。