皆さんは赤信号や停止線、前の車と車間が詰まった時など、どうやって減速しますか?
『そりゃブレーキ踏むだろ?』
もちろんそうですね。
通常はブレーキを踏んで減速すると思います。
でも、今回はそのブレーキをなるべく使わず停止することで、
ブレーキパッドの無駄な減りを防ぎ、さらに燃費までも向上させてしまう方法を20年以上車に携わってきた整備士がお伝えします。
減速のしかたのクセ
車を運転していると、かなり手前から自分の車が減速しなければならないことがわかっている状況って、結構あると思います。
通過しようとしている交差点の信号が、赤に変わった時。
また、停止線や踏切などが前方に見えている時など。
それでもアクセル踏み続けますか?
直前でブレーキかけてギューッと減速しますか?
結構いるんです、そういう人。
信号が赤だって見ればわかるのに、追越し車線からアクセル踏み続けてぶち抜いて行く人。
で、信号直前でほぼ急ブレーキだろうと思えるほどの減速。
あまり言いたくはないですが、何やってんでしょうね?
ガソリンは減るわ、ブレーキパッドは減るわ、タイヤも酷使するわ、良いことなんて1つもないのに、と思います。
まぁ性格の違いで車の運転の仕方も変わるので、しょうがない部分もあると思いますが・・・。
じゃあどんな運転がいいのか?
ブレーキパッドも燃料もあまり減らさない運転は?ということですが、まずは運転中はとにかく周囲に気を配りましょう。
そうすると、前後左右、斜めの車をちゃんと確認できるはずです。
さらには自分が進む先の信号までわかるはずです。
そうすれば自分がスピードを落とし始めなければならない状況がかなり早い段階でわかります。
止まることがわかれば、アクセルから足を離します。
そうすることでエンジンブレーキがかかり、徐々に減速します。
そしてなんと、エンジンブレーキがかかっている間は、一切燃料を噴射しません。
なので燃費もすこぶる良くなります。
(たまに『N』レンジに入れて燃費を稼ごうとする人がいますが、
『N』レンジでは、エンジンはアイドリング状態のままで燃料を噴射し続けているので、燃費は良くなりません)
オマケにある程度停止線に近付くまでブレーキもさほど踏まなくていいので、ブレーキパッドの減りも軽減されます。
もっと強いエンジンブレーキをかけたいなら、シフトダウンをしましょう、普段滅多に使うことのない『D』レンジの下です。
車種によっては『2』とか『1』と書かれていたり、
『S』とか『B』とか書かれていたりしますが、これはミッションの構造の違いで名称が変わるだけなので特に気にしなくて大丈夫です。
まだやったことのない人は、前後の安全を確認の上、40〜60kmくらいからアクセルを離して、『D』より1段下げてみて下さい。
車種によってはかなり強いエンジンブレーキがかかりますので、必ず前後に車がいない時に試してみて下さい。
エコな運転で節約できる金額は?
普段からそんな運転を意識していないと、なかなか難しいと思いますが、
少しずつ練習していくと前方との距離感や、車速の感覚などが養われ、運転技術も向上します。
あと、一番の目的であるブレーキパッドの減りも軽減され、燃料噴射のストップにより燃費も向上と良いことばかりです。
実はこの運転をマスターしている主婦のお客さんVS、体格が良くてビンビン飛ばしてガンガンブレーキ踏む中年おじさんのお客さんで、今までの整備記録簿を比べてみました。
すると驚愕の事実が発覚!
ガンガンブレーキのおじさんは、車検の度に毎回フロントのブレーキパッドを交換して、7年が経過。
すでに4回ブレーキパッドを交換しています。
(車検は3回ですが、初回の車検は3年目で、それまでにパッドがもちませんでした。しかも7年の間にリヤのブレーキパッドも1度交換しています。)
一方、良くエンジンブレーキを使っている主婦の方はなんと、13年間1度もブレーキパッドを交換しておりませんでした。
もちろん新車からウチで整備しているので間違いありません。
13年目の6回目の車検で初めてブレーキパッドを交換しました。しかもフロントだけ。
凄くないですか?
もしおじさんが主婦の方と同じ年数乗っていたら、フロントだけで7回は交換しているはずです。
フロントパッドの交換は、工賃込みで約2万円(車種により前後します。)
すると、フロントブレーキパッドだけで約12万円の差が!
リヤのパッドや、タイヤの減り、燃費なども計算すれば、驚きの差が出ることでしょう。
こういった細かいことですが、長期間に渡って比べてみると、意外なほど節約できることってあるんですね。
エンジンブレーキとシフトダウン、是非マスターしてみて下さい。